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お題『食べる』/折衷案

  • まるた曜子
  • 2018年10月6日
  • 読了時間: 1分

先生が慣れた手つきで皮を円く伸ばしていく。このために小さめの麺棒を2本買ったのだけど予想より大活躍。餡は3種類、ふたりしかいないけど、たくさん作って冷凍しておけばわたしのご飯になる。

元広東人のわたしと元東北人の先生が、協力して作るのはみんな大好き水餃子。先生が微かな鼻歌で拍子を取りながらつぎつぎと餡を閉じていく。流れるようにひだを入れ、パッドに並べられていくマトンとトマトと炒り卵の羊肉番茄餃子。わたしは干しエビと鶏肉と酸菜の三鮮餃子をテトラ型に止める。もうひとつは先生の好きな豚腎にみじん切りセロリと人参。今回のスープはやさしい塩味で東北風。わたし用に花椒のつけダレを用意して、さあ食べますか!

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