羽化待ちの君小さな頃から、たまに我が家にやってくる、『おじ』を名乗る男が好きだった。ヒゲだらけだったり埃臭かったり髪が茫々だったりしたが、現れる度美しい小物や珍奇な物、奇妙な刺繍の羽織物などを橙(ともる)にくれるし、気味の悪い昆虫や爬虫類を、美しい写真に納めてきて見せてくれた。グロテス...