15歳の夏
家庭裁判所の廊下で、審判開始をそわそわ待つ。隣に座る和音(かずね)ちゃんはずっと扉を睨んでる。黙ってるのが落ち着かなくて「あのさー」と声を出してしまった。焦って話題を探す。 「和音ちゃんは大丈夫だよ、しっかりしてるし頭もいいし運動できるし。あたしがママを手伝わないのも『ウ...
【300字SS】[再会/再開]の会話は
「ねえおばさんの写真ないの写真」 日曜の朝っぱらから乗り込んできた彼女が屈託無く笑う。仕方なく、コルクボードにピンで刺した封筒からそれを取り出す。 「あたしも写ってるじゃん。しかもおばさんちっさ! こんな古いのじゃなくてさ」 ...


【300字SS】物語(おとぎばなし)を綴る人
また彼女がテレビに出てる。私の本を手に。直木賞受賞作家の原点と称する、 世界でただ一冊の手作り絵本を得意 気に掲げて嘘ばかり。 近所というだけで仲良くなれた日々、恒常的な別離。幼 かった。善悪がわからない程。だけど。 ―――借りパク女。それはあんたのものじゃない。テレ...