top of page

お題『新しい』/いとだま

  • まるた曜子
  • 2018年4月7日
  • 読了時間: 1分

「さ、洗浄は済みました。転生してください」 「洗浄?」 「魂の糸ですよ。天のタペストリーに使うんです。あなたの糸玉はまだ小さいからどんどん人生重ねてください」 「なんかくすんだ色だな。……俺の人生そのものだ」 「何色だって必要ですから暗くてもいいんですよ、でもカラフルになりたいなら次は楽しく暮らしなさいな」 「アイツがいなけりゃ真っ黒だ」 「やってみなきゃわかりませんよ」 「嫌だ、俺の家族はアイツだけだ、戻りたい」 「コッペは元野良ですから何が起きたかわかってます、さあ」 「イヤだ、アイツがいないならもう生きたくないぃぃ」

どの魂も未練は次に生かせば良い。転生レーンにそっと囁く。 「コッペはね、綺麗な七色でしたよ」

最新記事

すべて表示
お題『霧』/八十八夜

『とにかく霧がすごいんだよ、でもバーッと晴れるの!』 毎年この時期私をここに運ぶのは、同僚の君のそんな誘い文句から。バーカ、これは朝靄だ。遠くに滲む信号機。 茶畑の、断崖絶壁みたいな畝に入って初葉を摘む。最初の年は命綱!と叫んだけれど、入ってみれば茶の樹に挟まれて落ちようが...

 
 
 
お題『食べる』/折衷案

先生が慣れた手つきで皮を円く伸ばしていく。このために小さめの麺棒を2本買ったのだけど予想より大活躍。餡は3種類、ふたりしかいないけど、たくさん作って冷凍しておけばわたしのご飯になる。 元広東人のわたしと元東北人の先生が、協力して作るのはみんな大好き水餃子。先生が微かな鼻歌で...

 
 
 
お題『人形』/手に入れるには

彼女は日本人形とも西洋人形(ビスクドール)とも違う、「ドール」。艶々の黒髪に紫が施された黒い瞳。笑うと優しい光を浮かべる。彼女の隣に相応しくないあの子に。 移動教室で別れた瞬間を狙って腕を掴んだ。 「私といなよ。あなたに似合う喫茶店へ連れてってあげる」 ...

 
 
 
最新記事
タグから検索
アーカイブ

© 2023 by Name of Site. Proudly created with Wix.com

bottom of page