top of page

【300字SS】兼業お母さんを休んだ日

  • まるた曜子
  • 2015年7月20日
  • 読了時間: 1分

 お姉ちゃんのご飯は茶色すぎてヤダ。  妹はそう言ってサンドウィッチを買ってきたりパスタをチンしたり、いつも勝手。 おばあちゃんは「洋食屋さん」物ならまだしも、 パンやパスタじゃ納得してくれないし、お父さんはとにかく肉だし、 みんな勝手過ぎる。もう厭。  そんな気持ちがでたのかも。思わぬ発熱で学校を休むはめになった。 布団で唸っていたら、ふすまが薄く開いた。 「お姉ちゃん、おかゆ、買ってきた。食べられる?」  買ってきたのかー。作ればタダなのに、ああ無駄遣い。 「食べる。ありがと」  よぎったイヤミをふん縛ってお椀を受け取る。 「ごめんねお姉ちゃん」 「なにが」 「なんか」 「ふうん」  さらさらのおかゆが、ゆっくり胃に降りていった。 SS企画《俺のグルメFESTIVAL》 参加 お題 「これが! 俺の! グルメだ!!」 を詰め込んだ、“おいしそう!”な飲食風景

最新記事

すべて表示
お題『霧』/八十八夜

『とにかく霧がすごいんだよ、でもバーッと晴れるの!』 毎年この時期私をここに運ぶのは、同僚の君のそんな誘い文句から。バーカ、これは朝靄だ。遠くに滲む信号機。 茶畑の、断崖絶壁みたいな畝に入って初葉を摘む。最初の年は命綱!と叫んだけれど、入ってみれば茶の樹に挟まれて落ちようが...

 
 
 
お題『食べる』/折衷案

先生が慣れた手つきで皮を円く伸ばしていく。このために小さめの麺棒を2本買ったのだけど予想より大活躍。餡は3種類、ふたりしかいないけど、たくさん作って冷凍しておけばわたしのご飯になる。 元広東人のわたしと元東北人の先生が、協力して作るのはみんな大好き水餃子。先生が微かな鼻歌で...

 
 
 
お題『新しい』/いとだま

「さ、洗浄は済みました。転生してください」 「洗浄?」 「魂の糸ですよ。天のタペストリーに使うんです。あなたの糸玉はまだ小さいからどんどん人生重ねてください」 「なんかくすんだ色だな。……俺の人生そのものだ」 「何色だって必要ですから暗くてもいいんですよ、でもカラフ...

 
 
 
最新記事
タグから検索
アーカイブ

© 2023 by Name of Site. Proudly created with Wix.com

bottom of page