【300字SS】ツンデレーション的
- まるた曜子
- 2015年7月16日
- 読了時間: 1分
「あーん、て食べたい」 「こんな? ただの? ファミレスで?」 「うん」 向かいから蔑みの表情で、フォークにミートグラタンを載せ「あーん」と腕が伸ばされる。 「やるんだ」 「やんなきゃダダ捏ねて捏ねて結局こっちが折れるんじゃない。 ならもう最初からするよ時間のムダ」 仏頂面が般若になる前に、腰を浮かせて咥え取る。 味の薄いチーズがソースに負けてるそれを飲み込んで、にまにましてると怒られた。 「自分はやらないつもり?」 「え、やるの、食べるの?」 「ジャンバラヤってあんまり見ないもの。冷凍だろうけど、久々だから」 「あそ。じゃ、あーん」 ピーマンとソーセージをトッピングしたスプーンを伸ばすと、 耳の赤い仏頂面にぱくりと消えた。 SS企画《俺のグルメFESTIVAL》 参加 お題 「これが! 俺の! グルメだ!!」 を詰め込んだ、“おいしそう!”な飲食風景
最新記事
すべて表示『とにかく霧がすごいんだよ、でもバーッと晴れるの!』 毎年この時期私をここに運ぶのは、同僚の君のそんな誘い文句から。バーカ、これは朝靄だ。遠くに滲む信号機。 茶畑の、断崖絶壁みたいな畝に入って初葉を摘む。最初の年は命綱!と叫んだけれど、入ってみれば茶の樹に挟まれて落ちようが...
先生が慣れた手つきで皮を円く伸ばしていく。このために小さめの麺棒を2本買ったのだけど予想より大活躍。餡は3種類、ふたりしかいないけど、たくさん作って冷凍しておけばわたしのご飯になる。 元広東人のわたしと元東北人の先生が、協力して作るのはみんな大好き水餃子。先生が微かな鼻歌で...
「さ、洗浄は済みました。転生してください」 「洗浄?」 「魂の糸ですよ。天のタペストリーに使うんです。あなたの糸玉はまだ小さいからどんどん人生重ねてください」 「なんかくすんだ色だな。……俺の人生そのものだ」 「何色だって必要ですから暗くてもいいんですよ、でもカラフ...