花街ダイニング
眩む光。それから? 声。順番は、たぶん。蓋が開いたんだというのはだいぶたってから。マーナが泣きながら抱きついてきたので、外にいるって気がついた。 その光がササヅキのランタンだとわかったのは次の村に着いて状況を説明するよう求められてから。自分の手も見えない箱の中で、かすか...
淅瀝の森で君を愛す
増築した部屋にお義姉さんとなあが引っ越してきて、バタバタしてるうちに産み月がきて、春菜が産まれて、お披露目も兼ねた結婚式と披露宴を済ませた嵐のような1年が過ぎた。その間にあたしはなあとすっかり仲良くなった。お義姉さんが夏生くんをなあと呼ぶので、うちの家族もそれに習った。...
花と祝祭
6 ―――1年次 「ただいまあ」 玄関からリビングに声だけ掛け、階段を上がった。先週降った雪がまだ残ってるけど、ここ2~3日は比較的暖かだ。手袋をベッドに放り投げ、ハーフコートを脱ぐ。 タートルネックのセーターの上にジャージを羽織っていると階下から知らない男性の声が両親...